(香苗)
はじめまして。
紗季祈祷師に代わって、筆を取らせていただきました。
"筆" というのも妙な表現ですけれども・・
今夏もたくさんのご依頼人様が、成就のご報告に社務所にお越しになりました。
このところ紗季祈祷師もほとんど社務所に戻れない日々を送っており、代わってお話しをお伺いいたしましたが、
私も何人かの方々から貴重なお話しを聞くことができました。
特徴的に感じたのは40代半ばの男性と女性。ご一緒に来られて、私はてっきり縁結びのご祈祷が実を結んだものと思っておりましたところ、
どうやら、縁切り祈願の成就のご報告だそう。
元々お二人はご夫婦で、ともに職場でも責任の重い立場にあられます。
ご主人ではなく、奥様のご都合での長い単身赴任生活。
いつしかお二人の間にはすれ違いや誤解が生じ、亀裂となり、深い溝になって行きました。
その後、(元)ご主人からの縁切り祈願のご依頼があったのは必然の流れだったのかと・・
当初は(元)奥様への怒り・憎しみに溢れていた口調も、日が経つにつれ、これまでのいろいろなことへの感謝の言葉に変わってまいりました。
変化の兆しが見られてから成就までは、それほど時間はかかりませんでした。
そのお二人が、何故かそろって社務所にお越しになりました。
(元)ご主人のお話。
「こういった距離感でつながりを持つこと自体の概念が、今まで自分には無かった。夫婦であるということを自分が勝手に重たく受け止めていただけかもしれない。
今あるものへの感謝を忘れ、常に何か足りないという不満と焦りばかり。これではお互いに幸せになれないのは当たり前だ。夫婦という呪縛から解けた今、心からの幸せを感じている。
幸せな縁切りというのもあるんだなぁ、と実感している。」
まだまだ修行中の私ですが、この一件は目から鱗が落ちたと申しますか、貴重な御意見を伺うことが出来ました。
お越しいただいたKさん・Iさん、どうぞこれからも、お "幸せ" に!