「いただきます」の概念

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(香苗)
おはようございます。香苗です。
台風17号も、ここ広島周辺ではさほど大きな被害もなく、最接近時に「御幣」(ごへい)があちこちに吹き飛ばされた程度で済みました。
私がこの程度で被害を訴えていては申し訳なく、昨夜、愛知県東部に上陸した台風17号は東日本各地に大きな爪痕を残したと伺っております。
雨・風ともに史上稀に見る規模であったとのことで、被害に遭われた方々には心よりお見舞申し上げます。

 海外では台風に名称を付ける慣例もあるそうですね。米国などではアルファベット順に、男性名・女性名を交互に付けるのだとか。

 最近当会では、外国人の方に対するご祈祷も実施させて頂く機会が多くなってまいりました。
ただ、概念としての「ご祈祷」「呪術」というものを、どこまでご理解いただけているかは、不明です。
おそらく彼ら・彼女らは、自分たちが今から依頼しようとしているモノを "Magic" すなわち直訳するところの「魔術」であると思っているでしょう。
私たちが言うところの「呪術」や「ご祈祷」を明確にご理解頂くには、それ相応の時間と労力を要します。

 どのような解釈の相異があり、その解釈や認識の違い・概念の違いを理解してもらうためには、どのような労力を要するかと言えば、例えるならば「いただきます」の概念に似ています。
日本では当たり前のように、食事の前に「いただきます」と言うのが慣例になっています。
仏教徒の方は合掌をしますし、それ以外の人も合掌まではしないにしても、「いただきます」の概念は共通して持ち合わせています。
キリスト教徒の方の、食事の前のお祈りにも似ていますが、若干その性質は異なります。
食事を与えてくださった神様に対する感謝というよりも、私という命をつなぐために数々の動植物の生命をありがたく頂戴し、その生命を育んでくれた自然に感謝する概念であり、
そうした食事を私に与えるために、あちこちを走り回って獲物を捕らえ、植物を育て、収穫してくれた方々に対する感謝の気持ちが「ご馳走さま」です。
「馳」「走」いずれも「はしる」という意味があります。

 以前、まだ私が学生だった頃に、海外から留学で日本に来られた方に「いただきます」の概念を説明しようとして、「now I'll take your soul or life, thanks.」であると伝えたところ、毎食そんな恐ろしいことを言っているのか、と誤解されてしまったことがあります。
幸い、その後時間をかけて説明していくとある程度はご理解いただけたようで、私のせいで歪んだ解釈をされたまま帰国してしまうことを、なんとか防ぐことができました・・